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特集 認知症診療の新潮流—近未来の認知症診療に向けて
認知症診療における遠隔神経心理検査の現状と今後
Current Status and Future of Tele-Neuropsychological Tests
江口 洋子
1,2
Yoko Eguchi
1,2
1慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室
2株式会社ベネッセスタイルケア ベネッセ シニア・介護研究所
1Department of Neuropsychiatry, Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Benesse Style Care Co., Ltd., Benesse Institute for Research on KAIGO(Continuing Care)
pp.893-900
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206678
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抄録 認知症診療における遠隔で実施する神経心理検査(遠隔神経心理検査)は,専門家が相対的に不足している地方のみならず,今後は都市部で急増する外出が困難な高齢者の認知症の早期診断や在宅支援のためのアセスメントやモニタリングにおいても重要性が増すものと考えられる。本稿でははじめに,遠隔神経心理検査は,複数のメタレビューにおいて,対面で実施する検査と同等の結果が得られるとする報告について述べた。本邦でも,改訂長谷川式簡易知能評価スケール,時計描画検査,Montreal Cognitive Assessment日本語版,Alzheimer's Disease Assessment Scale日本語版が遠隔で実施され,対面と高い精度で一致したとの報告がある。次に,遠隔神経心理検査を実施するための留意点について述べ,最後に,遠隔神経心理検査を通じて,日常生活・社会生活にわたる包括的な支援にも繋がる可能性について述べた。
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