Japanese
English
特集 精神科診断分類の背景にある考え方
疾患単位と症候からみた精神科薬物療法
Psychopharmacotherapy from the Perspective of Diagnostic Category and Symptoms
冨田 真幸
1
Masayuki Tomita
1
1医療法人財団厚生協会大泉病院
1Oizumi Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
精神科薬物療法
,
psychopharmacotherapy
,
診断カテゴリー
,
diagnostic category
,
症候
,
symptom
,
スペクトラム
,
spectrum
,
DSM
Keyword:
精神科薬物療法
,
psychopharmacotherapy
,
診断カテゴリー
,
diagnostic category
,
症候
,
symptom
,
スペクトラム
,
spectrum
,
DSM
pp.883-890
発行日 2020年6月15日
Published Date 2020/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206125
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抄録 精神疾患の本態がいまだ解明されていない中で行われている精神科薬物療法とは,歴史的な生い立ちを考えても,症候に対する対症療法として発展してきたものである。モノアミン仮説やドパミン仮説などは疾患理解に重要な役割を果たしたが,薬剤の効果から疾患の本態に迫ろうとする努力は挫折しており,現時点での精神科薬物療法はあくまでも疾患と症候に従属するものと理解しなければならない。しかし,その疾患単位そのものが時代とともに流動的であり,同時に薬剤カテゴリーもその境界は元々存在しないに等しく,精神科薬物療法は常に濫用される危険性を孕んでいる。過剰診断,過剰投薬を避けるために,丹念な臨床観察と薬物療法の意味の理解が必要不可欠である。
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