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向精神薬処方の適正化にかかわる診療報酬改定が2018年度に行われた。それにより,2019年4月から,不安の症状または不眠の症状に対し,ベンゾジアゼピン受容体作動薬を12か月以上連続して同一の用法・用量で処方されている場合,精神科のみならずすべての診療科で処方料,処方せん料が減算となった。ただし,「不安又は不眠に係る適切な研修」を修了した医師が行った処方は減算から除外される。ベンゾジアゼピン受容体作動薬には依存性,乱用,長期使用時の認知機能障害,転倒などの問題がある。漫然とベンゾジアゼピン受容体作動薬が処方されていることに対して厚生労働省は問題意識を持ち,診療報酬の面から改善したいという強い意志の表れから本改定が行われたと思われる。この改定に先立ち,数年前からベンゾジアゼピン受容体作動薬の多剤併用について処方料,処方せん料の減算が行われており,これらの改定は数年にわたる厚生労働省からの是正への指導であると理解できる。しかし,この問題は本来医学会がベンゾジアゼピン受容体作動薬の問題点を理解し,それに対するガイドラインを提案し,自ら解決するべき問題であると思われる。このような経緯から,本特集では現在大きな問題となっているベンゾジアゼピン受容体作動薬の適正使用について,薬理機序,問題点,推奨される適正使用について,さまざまな観点から各テーマの第1人者に論じていただいた。読者が「不安又は不眠に係る最新の知識」を得て,最新かつ適切な診療をする上で本特集が役立つことができれば幸甚です。各論文はとても読み応えがあり,読むことにより,ベンゾジアゼピン受容体作動薬の問題点と対策について最新の知識をアップデートすることができる。
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