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特集 Research Domain Criteria(RDoC)プロジェクトの目指す新たな精神医学診断・評価システム
Research Domain Criteria(RDoC)プロジェクトの概念
Concept of Research Domain Criteria(RDoC) Project
橋本 亮太
1,2
,
山森 英長
2
,
安田 由華
2
,
藤本 美智子
2
,
工藤 紀子
1
,
畦地 裕統
1
,
池田 学
2
Ryota Hashimoto
1,2
,
Hidenaga Yamamori
2
,
Yuka Yasuda
2
,
Michiko Fujimoto
2
,
Noriko Kudo
1
,
Hirotsugu Azechi
1
,
Manabu Ikeda
2
1大阪大学大学院大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学連合小児発達学研究科附属子どものこころの分子統御機構研究センター
2大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室
1Molecular Research Center for Children's Mental Development, United Graduate School of Child Development, Osaka University, Osaka, Japan
2Department of Psychiatry, Osaka University Graduate School of Medicine
pp.9-16
発行日 2018年1月15日
Published Date 2018/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205517
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RDoCプロジェクトの背景
Research Domain Criteria(RDoC;研究領域基準)は,National Institute of Mental Health(NIMH)のThomas R. Insel博士が提唱したものである6)。RDoCプロジェクト誕生の背景には,今まで主に用いられている精神疾患の診断体系であるDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders(DSM;精神疾患の診断・統計マニュアル)とInternational Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems(ICD;疾病及び関連保健問題の国際統計分類)に基づく研究が,臨床神経科学や遺伝学における新たな進歩による知見を取り込むことに失敗しているという問題提起があった7)。
そこでRDoCプロジェクトは,精神疾患は複雑な遺伝・環境要因と発達の段階によって理解される脳の神経回路の異常によって起こるという仮説に基づいて,精神疾患を診断カテゴリーにとらわれることなく,生物学的でありかつ横断的な視点が取り入れられたディメンジョナルな評価基準による枠組み(フレームワーク)にて構築した。
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