Japanese
English
特集 精神医学と睡眠学の接点
気分障害の治療としての時間生物学的治療
Chronobiological Therapy for Depression
竹島 正浩
1
,
清水 徹男
1
Masahiro TAKESHIMA
1
,
Tetsuo SHIMIZU
1
1秋田大学大学院医学系研究科精神科学講座
1Department of Neuropsychiatry,Akita University Graduate School of Medicine,Akita,Japan
キーワード:
Blight light therapy
,
Chronobiological therapy
,
Depression
,
Mood disorder
,
Sleep deprivation
Keyword:
Blight light therapy
,
Chronobiological therapy
,
Depression
,
Mood disorder
,
Sleep deprivation
pp.553-558
発行日 2017年6月15日
Published Date 2017/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205405
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はじめに
気分障害に対する時間生物学的治療とは,治療者が抗うつ効果を期待して,患者の睡眠覚醒リズムや光への暴露を操作する治療である。前者には断眠療法や位相前進療法が,後者には高照度光療法がある。これらの時間生物学的治療が行われることとなった背景には,うつ病には症状の日内変動が認められることなどから,うつ病の病態には何らかの時間生物学的異常が関与しているのではないかと古くから考えられていたためだ。これまでに,うつ病患者は健常者と比較して,深部体温やホルモンリズムが乱れているなど多数の報告がなされている。
時間生物学的治療は種々の研究で有効性が証明されており,抗うつ薬と比して効果発現が早く,侵襲がほとんどないという長所がある。その一方で,時間生物学的治療は効果が持続しないという欠点もあるが,気分障害治療の重要な選択肢の1つであることは間違いない。本稿では,気分障害のうつ状態に対する時間生物学的治療について,最新の研究報告を交えて紹介する。
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