巻頭言
よし,当事者になろう
鈴木 映二
1
1東北医科薬科大学医学部精神科学教室
pp.816-817
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205243
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社会に出て行って辛い目に遭うくらいならスマホでもしているほうがよいと言う当事者を,どうすれば社会復帰につなげられるのだろうと,双極性障害の当事者会である特定非営利活動法人日本双極性障害団体連合会(ノーチラス会)(http://bipolar-disorder.or.jp/)に参加しながら,筆者は悩み続けてきた。
ノーチラス会は双極性障害に苦しむ患者や家族などを中心にミーティングなどの活動を行っている。そこに参加し始めた頃の筆者は,患者同士の論争や内輪もめから一歩身を引くような努力を続けていた。しかし,法人の活動に課せられた各種の義務を果たすためには,気分の安定しない患者のみでは対応しきれず,ついには会そのものの存続の危機が訪れた。つぶれる法人の後始末をさせられるのではないのかという恐怖にかられ,やむなく筆者は代表を引き受けることにした。
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