Japanese
English
特集 統合失調症の認知機能障害の臨床的意義
統合失調症の認知機能の評価について
Measuring Cognitive Impairment in Schizophrenia
Lin Crystal
1
,
住吉 太幹
1
LIN Crystal
1
,
Tomiki SUMIYOSHI
1
1国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センタートランスレーショナル・メディカルセンター情報管理・解析部
1Department of Clinical Epidemiology, Translational Medical Center, National Center of Neurology and Psychiatry, Tokyo, Japan
キーワード:
Schizophrenia
,
Cognitive test battery
,
Neuropsychological tests
,
Primary measures
,
Co-primary measures
Keyword:
Schizophrenia
,
Cognitive test battery
,
Neuropsychological tests
,
Primary measures
,
Co-primary measures
pp.703-712
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204983
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統合失調症の認知機能障害(cognitive impairment in schizophrenia;CIS)
1.統合失調症における認知機能障害の捉え方
統合失調症の認知機能障害(CIS)は,記憶,実行(遂行)機能,語流暢性,注意,処理速度などの障害を指し,後述するような神経心理学的検査成績における健常者と比べ1〜2標準偏差程度の低下を示す。歴史的には“dementia praecox”16)や連合障害(弛緩)2)などの記述で,CISは統合失調症の中核症状とも考えられたり,陰性症状のひとつという見方もあった。しかしながら,1980年代以降は統合失調症の中核症状であり,妄想・幻覚などの陽性症状,あるいは情動鈍麻・ひきこもりなどの陰性症状とは独立した病態と認識されるようになった。同時に,CISは就労や日常生活技能などの社会生活の機能的転帰と関連することが重視されてきた3,4)。近年では認知機能が機能的転帰と関連するか否かよりもむしろ,どのように関連しているかが焦点となっている6)。
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