動き
「国際老年精神医学会第4回大会」印象記
柄澤 昭秀
1
1東京都老人総合研究所
pp.1354-1355
発行日 1989年12月15日
Published Date 1989/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204827
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国際老年精神医学会第4回大会は,長谷川和夫教授(聖マリアンナ医大)を会長として,去る9月5日から8日まで,東京,新宿のセンチュリーハイアットホテルで開催された。最終登録者数は750名,そのうち外国からの参加が30カ国,約300名を占め,関係者の当初の予想を大きく上回る盛会となった。今回の大会の特徴の一つは外国人の参加が多かったことである。しかも,英国のM. Roth教授や米国のEW. Busse教授などの大御所をはじめ,各国の代表的な老年精神医学者のほとんどが顔を揃えた。このことは一つには,老年期の精神健康問題に対する世界的な関心の高まりによるものであろうが,それだけでなく,やはり長谷川会長のそのための努力によるところが大きかったと思われる。
組識としての国際老年精神医学会(IPA-lnternational Psychogeriatric Association)は1980年に創立された比較的若い学会であるが,1982年にカイロで開催された第1回大会以後,2年に1回の大会と年に1回のワークショップが定期的に世界各地で行われてきた。この間日本から長谷川教授と西村健教授(阪大)が常任理事会のメンバー1に加わるなど,学会としての組織も拡大,強化されてきたのであるが,今大会の盛況をみると,学会の基礎は完全に固まったとの感が強い。
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