Japanese
English
研究と報告
12歳で発病した双極感情障害の1例
A Case of Bipolar Disorder with Onset at the Age of 12 Years
間所 重樹
1
,
松原 六郎
1
,
越野 好文
1
,
伊崎 公徳
1
Shigeki Madokoro
1
,
Rokuro Matsubara
1
,
Yoshifumi Koshino
1
,
Kiminori Isaki
1
1福井医科大学神経精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Fukui Medical School
キーワード:
Juvenile affective disorder
,
Dexamethasone suppression test
,
Lithium
Keyword:
Juvenile affective disorder
,
Dexamethasone suppression test
,
Lithium
pp.1269-1275
発行日 1989年12月15日
Published Date 1989/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204814
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抄録 初潮前の12歳に発病し,DSM-Ⅲで双極感情障害と診断された1例を報告した。短い病相期,各病相への急激な変化,非定型病像の出現など若年者に特徴的な臨床像を呈したが,遺伝負因はなく性格の変化も認められなかった。DSTは成人と同様の状態依存性の結果を示した。imipramineによる躁転を認めたが,lithium carbonateによる治療は有効で,予防的長期投与が必要と考えられた。万歩計による1日歩数は行動量ひいては,その時の精神状態をよく反映しており,客観的指標として有用であった。若年者の躁うつ病様状態の疾病学的分類についてはまだ統一見解がないが,非定型病像をとりやすく長期予後が多様なことから,本例についても長期の経過観察が必要である。
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