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動き
デトロイト市でみた精神衛生活動
Mental Health Activities observed in Detroit City
佐久間 もと
Moto Sakuma
pp.782-784
発行日 1989年7月15日
Published Date 1989/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204746
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デトロイトは,豊田市に比較される自動車工業の都市である。しかし,デトロイトには,血生臭い事件が絶えない。事件に慣れたデトロイト市民といえども,精神障害者が警官に射殺されたというトップ記事(デトロイト・ニュース,10月18日,1988)には驚かされた。この昼下りの銃撃戦と同時刻,現場から約10km南にある市公会堂では,精神衛生地域活動に関する全国大会が開催されていた。つまり一方で,精神障害者に対する地域活動が,この患者の命を落すことで終焉となり,他方では,地域活動のもたらす医療上の成果を喧伝しあうという皮肉なめぐり合わせであった。
この精神衛生大会は,精神衛生活動上の協力と,そのてだてを主題として立案された。10月16日から19日(1988)までの3日間,コーボー・ホール(公会堂)で催された。この大会は,デトロイトのあるミシガン州での歴史上,最初の大会であり,またこの大会の開催は実に,前大統領夫人ロザリン・カーターが精神衛生法制定の推進役を果たしてから18年目であった。ミシガン州の精神衛生局が作成した精神衛生活動に関する案を公にし,またこの活動についての現況を報告して討議し合う会と,その主旨にはうたわれている。つまり,官製の案を叩き台にして,地域活動の改善をめざす討議をしようという,あくまでも実務にのっとった会議である。
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