Japanese
English
短報
突発性脳波異常を呈した自己臭症の1例
A Case of Olfactory Paranoid with Paroxysmal Discharges
木戸 日出喜
1
,
島田 真由美
1
,
岡田 淳夫
1
,
山口 成良
1
Hideki Kido
1
,
Mayumi Shimada
1
,
Atsuo Okada
1
,
Nariyoshi Yamaguchi
1
1金沢大学医学部神経精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, School of Medicine, Kanazawa University
pp.674-676
発行日 1989年6月15日
Published Date 1989/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204729
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
「自分の身体から不快な臭いが発散して,周囲の人に不快感を与えて,そのために自分が忌避される」という自己臭体験について,精神病理学的見地からの報告は多く,自我漏洩症候群2),思春期妄想症4)としてとらえようとする方向,人間学的研究5)など多彩である。しかし,その生物学的側面についての報告は多くない。著者らは,自己臭体験だけで単一症候的に経過した症例(自己臭症)に脳波上,突発性放電(paroxysmal discharges)を認め,抗てんかん薬により著しい改善を示した1例を経験した。本症例の臨床経過と脳波所見の推移を報告すると共に,若干の考察を加える。
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.