Japanese
English
展望
てんかんの精神症状
Psychic Symptoms in Epilepsy
山口 成良
1
,
木戸 日出喜
1
Nariyoshi Yamaguchi
1
,
Hideki Kido
1
1金沢大学医学部神経精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Kanazawa University School of Medicine
pp.574-585
発行日 1991年6月15日
Published Date 1991/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903059
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■はじめに
てんかんの精神症状については枚挙にいとまがないほど報告がみられるが,それらをまとめて,意識障害を伴った精神病的状態,意識清明でありながら,挿間性に精神病的状態を呈するもの,さらに慢性の精神病的状態を呈するものの3つに分けたBruens12)の分類(表1)がよく知られている。本展望では,第1にてんかん発作としての精神症状,特にてんかん発作重積状態status epilepticusとしての欠神重積状態absence statusと複雑部分発作重積状態complex partial statusの精神症状,第2に挿間性の精神病的状態,第3に慢性の精神病的状態,特に精神分裂病様状態,そして最後にてんかんの知能,性格,認知機能などに及ぼす影響などについて,触れたいと思う。なお,てんかんの精神病状態の精神病理については最近,清野と井上63)による,また,てんかんの精神病理については河合ら34,76)による優れた展望がある。
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