Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
われわれは,ここに丁度報告した三つの症例において,脳曲線の同じ波をみる。目立つことは,三つのすべてにおいて,大きな波と小さな波は互いに交代し,大きな波は常に小さな波によって続かれ,それから再び大きな波がという規則性があることである。
硬膜上導出の他の症例において,私は,そのような規則性のある曲線を得なかった。38歳の女性において,その臨床所見の故に,右の前中心回の領域における腫瘍が疑われた。手術で,Gulekeによって,その予想きれた位置で,1.5cmの深部に,その内容が空の嚢腫が見出された。その所見は,嚢腫状に変性した神経膠腫であるとして説明された。腫瘍の除去が不可能であった故に,引き続いてレントゲン照射が計画され,骨が穿頭術の部位で完全に除去された。手術後4週間してから,6.5cm互いに離れて,皮下に挿入された針電極でもって,右側の大きな骨欠損内の二つの部位から曲線が得られた。針電極回路における抵抗は1500オームであった。腕からは,鉛箔電極でもって,二重コイル電流計の電流計2に誘導され,一方電流計1は針電極に結合された。図7にその小断片が呈示されている曲線が得られた。一番上に,その最大の感度で調節された電流計1でもって硬膜上から導出された電流変動がみられる;真中に心電図が,下に1/10秒の時間がみられる。この記録は,前述のすべてのものと同じく,回路の中に挿入されたコンデンサでもってとられた。われわれは,前の記録から既知の,より大きい変動と,より小さい変動をここでもまた見出す。その中で,大きなものは,ここでは90〜100msec,小さなものは40〜50msec続く。しかし,大きな波と小さな波とが互いに続くことによって特徴づけられた一貫して規則的な連続は,ここではみられない。たとえば,図の中央より少し右側に,七つの連続的な小さな波がみえる。曲線は一般に,前掲の諸図において示された曲線の断片よりも,より多くの変異を示すと思われる。
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.