Japanese
English
研究と報告
抗精神病薬長期服用患者におけるAkathisiaの研究
A kathisia in the Patients Receiving Longterm Antipsychotic Medication
阪本 淳
1
Jun Sakamoto
1
1宮城県立名取病院
1Miyagi Prefectural Natori Hospital
キーワード:
Akathisia
,
Schizophrenia
,
Longterm antipsychotic medication
,
Tardive dyskinesia
Keyword:
Akathisia
,
Schizophrenia
,
Longterm antipsychotic medication
,
Tardive dyskinesia
pp.153-161
発行日 1989年2月15日
Published Date 1989/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204660
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抄録 精神病院に入院中で,精神分裂病の診断で抗精神病薬を1年以上継続的に服用している患者88名を対象に,一定の診断基準を用いてakathisiaの調査を行った。その結果,16名が確診例または疑診例に該当した。確診例の4名(4.5%)には明確な下肢の落ち着きのなさの訴えと特徴的な静止不能運動を認め,akathisiaと診断した。下肢の落ち着きのなさのみを訴える者は9名,主観的な症状は訴えないが,特徴的な静止不能運動が観察された者は3名で,それらの12名を疑診例とした。これら16名のうち,15名は最近1カ月以内の増量や変更と関係がない定常状態でakathisiaの症状がみられた。akathisiaの出現頻度は女性で有意に高く(χ2=4.75,p<0.05),akathisia群と対照群との間では服用している抗精神病薬の1日服用量などについては有意差は認められなかったが,平均年齢(t=3.92,t<0.025)と服用年数(t=4.41,t<0.025)はakathisia群で有意に高く,高年齢,女性,抗精神病薬の服用年数の長い患者でakathisiaが多くみられる可能性が推測された。
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