Japanese
English
研究と報告
抗精神病薬減量中に生じた呼吸性ジスキネジアの1症例
A Case of Respiratory Dyskinesia Induced by Withdrawal of Neuroleptic Drugs
黒田 陽子
1
,
古塚 大介
1
,
平山 栄一
2
,
中西 亜紀
1
,
切池 信夫
1
,
山上 榮
1
Yoko KURODA
1
,
Daisuke FURUTSUKA
1
,
Eiichi HIRAYAMA
2
,
Aki NAKANISHI
1
,
Nobuo KIRIIKE
1
,
Sakae YAMAGAMI
1
1大阪市立大学医学部神経精神医学教室
2平山クリニック
1Department of Neuropsychiatry, Osaka City University Medical School
2Hirayama Clinic
キーワード:
Respiratory dyskinesia
,
Tardive dyskinesia
,
Withdrawal of neuroleptics
Keyword:
Respiratory dyskinesia
,
Tardive dyskinesia
,
Withdrawal of neuroleptics
pp.1099-1104
発行日 1995年10月15日
Published Date 1995/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903971
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【抄録】抗精神病薬の減量により呼吸性ジスキネジアを生じた老年期幻覚妄想状態の1症例を報告した。本症例は特発性乳糜胸水を合併し,抗精神病薬の減量中に,肩の上下運動や過呼吸がみられ,血液ガスに異常なく,呼吸機能検査にてpeak flowと,V25(25%肺活量での呼気速度)の低下が認められた。抗精神病薬投与により生じる呼吸性ジスキネジアの報告例は少ないが,看過されている可能性もあり,稀に生命的危険を伴う重篤例もあることから注意が必要と思われる。また,本症例のように呼吸器に何らかの障害を有する場合,特に高齢者に対して抗精神病薬を投与する場合には呼吸性ジスキネジア発生の可能性を配慮する必要があると考えられた。
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