Japanese
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研究と報告
Clonazepam(リボトリール®)の抗うつ作用
An Open Trial on Antidepressive Effect of Clonazepam in Depressed Patients
岸本 朗
1
,
国元 憲文
1
,
挾間 秀文
1
Akira Kishimoto
1
,
Norifumi Kunimoto
1
,
Hidebumi Hazama
1
1鳥取大学医学部神経精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Tottori University School of Medicine
キーワード:
Clonazepam
,
Antidepressant
,
Depression
,
Open study
Keyword:
Clonazepam
,
Antidepressant
,
Depression
,
Open study
pp.183-197
発行日 1987年2月15日
Published Date 1987/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204287
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抄録 40名のうつ状態(大うつ病25名,双極感情障害11名,神経症性うつ病3名,分裂感情病1名)の患者に対して,抗けいれん薬クロナゼパム(CZP)1日量1.0〜8.0mg(平均3.4mg)を投与し,その抗うつ作用を検討し,以下の結果を得た。早期脱落例1例を除き,大多数が6週の治療予定を満了し,39例についてCZPの抗うつ作用の判定が可能であった。ハミルトンうつ病評価尺度得点は1週で治療開始前の57%へと有意(p<0.001)に低下し,以後6週まで漸進的に低下した。有効率(著明+中等度改善)は1週で64%,3,4週で74%に至った。大多数では作用発現が1週以内にみられた。症状別にみた治療効果では生殖器症状,早朝覚醒などの一部の症状を除いた全抑うつ症状を有意に改善させた。しかし遷延例では4週以降にうつ症状の再悪化を示すものがあった。CZPの抗うつ作用は強力,速効性であり,うつ病治療での有用性が期待できると考えられた。
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