Japanese
English
研究と報告
精神障害の頻度と生まれ月—滋賀県患者人口による分析
Season of Birth in Various Mental Disorders: Survey in Shiga Prefecture
高橋 三郎
1
,
金井 秀子
2
,
三浦 悌二
3
,
野中 浩一
3
Saburo Takahashi
1
,
Hideko Kanai
2
,
Teiji Miura
3
,
Koichi Nonaka
3
1滋賀医科大学精神医学
2京都教育大学
3帝京大学医学部衛生学
1Department of Psychiatry, Shiga University of Medical Science
2Kyoto University of Education
3Department of Hygiene, Teikyo University School of Medicine
キーワード:
Prevalence of mental disorders
,
Season of birth
,
DSM-Ⅲ diagnosis
,
Statistics of diseases
Keyword:
Prevalence of mental disorders
,
Season of birth
,
DSM-Ⅲ diagnosis
,
Statistics of diseases
pp.1163-1172
発行日 1986年10月15日
Published Date 1986/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204230
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抄録 1980〜84年に滋賀医科大学附属病院外来を受診した患者の中で,DSM-Ⅲ診断記入のある成人主要6疾患の患者1,779名につき,生まれ月と年齢を調べた。滋賀県人口動態統計から1901〜80年生まれを対照群として,各疾患群毎に月別出生数(O)と,その年齢構成に従って対照群月別出生数から計算した期待値(E)からO/E比を算出しその季節変動を検討した。
精神分裂病では冬生まれが,大うつ病単一エピソード,大うつ病反復性では夏生まれが多いが,いずれも有意の差はない。双極性障害では1〜3月生まれが多く,神経症群,適応障害,心身症では夏・秋生まれが多く,有意の差を認める。戦前生まれより戦後生まれに頻度のピークが早くなる傾向が,大多数の疾患群で認められた。精神障害の頻度の生まれ月による偏りは,何か周産期に関係した生物学的要因が存在することを示唆している。この他,この問題に関する多数の報告を検討し,提示されている仮説について総説した。
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