Japanese
English
研究と報告
抗てんかん薬長期服用患者の視床下部—下垂体系機能について
Hypothalamic-Pituitary Dysfunction in Epileptic Patients on Long-term Treatment with Anti-epileptic Drugs
有田 忠司
1
,
金山 隆夫
2
,
渡辺 登美子
1
Tadashi Arita
1
,
Takao Kaneyama
2
,
Tomiko Watanabe
1
1新潟大学医学部精神医学教室
2国立療養所寺泊病院
1Department of Psychiatry, Faculty of Medicine, Niigata University
2National Epilepsy Centcr, Teradomari Hospital
キーワード:
Anti-epileptic drugs
,
Thyroid hormones
,
TRH-1oading test
,
Hypothalamic-pituitary dysfunction
Keyword:
Anti-epileptic drugs
,
Thyroid hormones
,
TRH-1oading test
,
Hypothalamic-pituitary dysfunction
pp.1297-1304
発行日 1985年11月15日
Published Date 1985/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204040
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抄録 抗てんかん薬の長期投与が及ぼす視床下部-下垂体系機能への影響を検討するために,25例のてんかん患者でT4とT3を測定し,そのうちT4あるいはT3が最も低値又は低下傾向にあった6例の患者について血中の各甲状腺ホルモン濃度とTBG濃度を測定し,TRH負荷試験を実施して正常対照者6例と比較した。更に,てんかん患者4例には5日間連続のTRH負荷試験を行ない,次の結果を得たので報告する。
てんかん群の甲状腺ホルモン末梢代謝動態は5′-脱ヨード酵素活性の亢進によるT4からT3への変換率が促進しており,正常対照群に比べ有意な低T4血症であった。TRH負荷試験では,てんかん群のTSH反応が全体に低下しており,TSH最大反応値は正常対照群に比べ有意に減少していた。このてんかん群でみられた下垂体TSH分泌予備能の低下は,5日間連続のTRH負荷試験から,下垂体レベルの機能異常によるものと考えられた。更に,抗てんかん薬長期服用患者では下垂体TSH含量の減少も示唆された。
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