Japanese
English
研究と報告
長崎市における精神分裂病発生率研究
The Incidence Rate Study of Schizophrenia in Nagasaki City
中根 允文
1
,
高橋 良
2
,
富永 泰規
1
,
太田 保之
1
,
石沢 宗和
1
,
仲間 一郎
1
,
道辻 俊一郎
1
,
荒木 憲一
1
Yoshibumi Nakane
1
,
Ryo Takahashi
2
,
Yasunori Tominaga
1
,
Yasuyuki Ohta
1
,
Munekazu Ishizawa
1
,
Ichiro Nakama
1
,
Shunichiro Michitsuji
1
,
Kenichi Araki
1
1長崎大学医学部精神神経科学教室
2東京医科歯科大学医学部神経精神科学教室
1Department of Neuropsychiatry, Nagasaki University School of Medicine
2Department of Neuropsychiatry, Tokyo Medical and Dental University School of Medicine
キーワード:
Schizophrenia
,
Incidence rate
,
Case finding system
,
Functional psychosis
Keyword:
Schizophrenia
,
Incidence rate
,
Case finding system
,
Functional psychosis
pp.771-781
発行日 1985年7月15日
Published Date 1985/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203974
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抄録 長崎市居住者を対象に,精神分裂病(以下,分裂病)の発生率を調査した。2年間にわたる調査で,男性61例,女性46例,合計107例の分裂病者が収集され,分裂病の年間発生率人口万対2.0という結果を得た。性別にみると男性で人口万対2.4,女性で人口万対1.6と男性に高く,発症年齢では,男性が15歳から19歳に,女性が20歳から24歳に発症のピークを認めた。本調査は予備調査の実施,case finding networkの設定,採用基準の設定,標準化・構成化された診察表による精神医学的面接とそのための充分なtraining,ICD-9による診断と,これまでの精神医学的疫学研究の問題点を出来る限り克服し,かつ再現性をも有している。本邦では,有病率調査はかなり実施されているが,発生率調査は我々の知る限りでは実施されておらず,本調査を,本邦における分裂病発生率研究に関する最初の調査結果として報告するとともに,分裂病の治療計画,医療サービスのあり方の検討へ寄与したいと考える。
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