Japanese
English
研究と報告
精神分裂病患者におけるきめ弁別障害
Abnormalities of Schizophrenic Patients in Texture Discrimination
丹野 義彦
1,2
,
椎原 康史
3
,
町山 幸輝
3
Yoshihiko Tanno
1,2
,
Yasufumi Shiihara
3
,
Yukiteru Machiyama
3
1群馬大学医学部行動医学研究施設行動生理学部門
2現在 群馬大学医療技術短期大学部
3群馬大学医学部神経精神医学教室
1Department of Behavior and Physiology, Behavior Research Institute, University of Gunma Medical School
3Department of Neuropsychiatry, University of Gunma Medical School
キーワード:
Schizophrenia
,
Cognitive deficits
,
Texture discrimination
,
Hemispheric function
,
Interhemispheric connection
Keyword:
Schizophrenia
,
Cognitive deficits
,
Texture discrimination
,
Hemispheric function
,
Interhemispheric connection
pp.783-790
発行日 1985年7月15日
Published Date 1985/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203975
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抄録 精神分裂病患者22名および正常対照者26名について,種々の条件下で布やすりのきめの粗さの弁別テストを行ない,患者の弁別は対照者より不正確であることを見出した。患者の不正確さには左手,右手および両手の手条件間では差が認められず,左大脳半球機能障害説および左右半球間連絡機能障害説を支持する結果は得られなかった。一方,患者の不正確さは判断カテゴリー条件によって異なっていた。患者の成績は比較刺激を標準刺激と〈同じ〉と答える等判断を許されない条件では正常者の成績に近づくが,等判断を許される条件ではつねに正常者の成績より有意に不良であった。しかも後者の条件における不正確さは等判断による誤答の選択的増加にもとついていた。これらの結果から,患者の等判断への偏好は感覚精度の低下などの感覚の次元の異常によるものではなく,より高次の心理的な次元の特性,おそらく認知的構えの偏りを反映するものと考えられた。
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