Japanese
English
短報
痴呆および前頭葉・大脳基底核石灰化を呈した偽性副甲状腺機能低下症の1例
A Case of Pseudo-hypoparathyroidism with Dementia and Calcification of the Frontal Lobe and Basal Ganglia
安田 素次
1
,
岡 五百理
2
Motoji Yasuda
1
,
Iori Oka
2
1北海道大学医学部精神医学教室
2啓生会病院
1Department of Psychiatry and Neurology, Hokkaido University School of Medicine
2Keiseikai Hospital
pp.725-727
発行日 1985年6月15日
Published Date 1985/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203968
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I.はじめに
著者らは,大脳基底核および前頭葉の石灰化を伴い,成年期より痴呆を呈した偽性副甲状腺機能低下症(Pseudo-hypoparathyroidism,以下PHPと略す)のDrezner type II型の1例を経験した。本疾患では通常,石灰化が大脳基底核にとどまり,また幼少時期から知能低下をきたすとされている。本例の如く,石灰化が前頭葉に及び,しかも成人に至るまで知能低下を認めず,妊娠を契機として34歳頃より急激に痴呆が進行した症例はきわめて稀である2)。Ca代謝異常,脳内石灰化と痴呆の出現,妊娠との関係について示唆するところが大きいので,ここに報告する。
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