Japanese
English
紹介
ピネル神話の形成—2枚の絵をめぐって
Mith on Pinel: Reflections arising from two tableaus
菅原 道哉
1
,
池田 商洋
1
,
奥平 謙一
1
,
酒井 正雄
1
Michiya Sugawara
1
,
Akihiro Ikeda
1
,
Kenichi Okudaira
1
,
Masao Sakai
1
1神奈川県立芹香院
1Kinkoin, Kanagawa Prefecture
キーワード:
Mith of Pinel
,
Gradys Swain
,
Liberation
Keyword:
Mith of Pinel
,
Gradys Swain
,
Liberation
pp.473-478
発行日 1985年4月15日
Published Date 1985/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203931
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抄録 フィリップ・ピネルが狂者を鎖から解放したことをもって,近代精神医学が始まったとされている。しかし,その場所,日時となると曖昧である。
1880年代後半より,ドイツ,フランスでピネルの業績について疑問が提示され始めた。ピネルの息子シピオン・ピネルのフランスアカデミーでの講演およびその講演録がピネル神話のもとになっているらしい。
グラディ・スウェインの近著『狂気の問題—精神医学の誕生』は解放の場面を画いた2枚の絵を中心にして,ピネル神話が形成されてゆく過程を考証している。
スウェィンの著作の紹介を主柱にして,ピルネ神話形成について述べた。鎖からの解放が自由,平等,博愛の旗印のもとで成されたことは事実であろうが,その日時,その場所その主人公はいずれもが時代背景の中で創られてきたものであることを述べた。
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