Japanese
English
研究と報告
降圧利尿剤服用後に出現したと思われるうつ病—うつ病の発症機序に関する考察
Depression Possibly Induced by Antihypertensive Diuretics-From the monoamine hypothesis of depression
岡田 文彦
1
Fumihiko Okada
1
1北海道大学保健管理センター
1Health Administration Center, Hokkaido University
キーワード:
Antihypertensive diuretics
,
Depression
,
Receptor sensitivity
Keyword:
Antihypertensive diuretics
,
Depression
,
Receptor sensitivity
pp.1181-1187
発行日 1984年11月15日
Published Date 1984/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203850
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抄録 サイアザイド系とその類似薬による高血圧治療後に出現したと思われる8例のうつ病を報告した。1例のみ1回だけうつ病の既往病相があったが,他の7例は初回うつ病であった。いずれも降圧利尿剤を半月〜4カ月処方され,充分な降圧作用を得たが,この時期に一致して,抑うつ症状が出現してきた。これらの症例におけるうつ病の発症機序について,最近のうつ病仮説—モノアミンニューロン系のシナプス後膜の受容体レベルの変化—に基づいて考察した。すなわち,サイアザイド系とその類似薬は利尿にともなう二次的な降圧作用により,中枢神経系を含む交感神経活動の低下をもたらす。その結果,中枢ではカテコールアミン神経系受容体に過感受性などの,レセルピンやその他の中枢抑制薬を用いた時と同じような変化が出現したのかもしれない。
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