Japanese
English
研究と報告
精神分裂病の社会適応に対するDay Hospitalの治療的役割—治療効果とその持続
The Effect of Day Care Treatment on the Course of Social Adjustment in Schizophrenic Patients
浅井 歳之
1
,
小沢 道雄
1
,
土井 永史
1
,
池淵 恵美
1
,
増井 寛治
1
,
太田 敏男
1
,
亀山 知道
1
,
安西 信雄
1
,
宮内 勝
1
Toshiyuki Asai
1
,
Michio Ozawa
1
,
Nagafumi Doi
1
,
Emi Ikebuchi
1
,
Kanji Masui
1
,
Toshio Ota
1
,
Tomomichi Kameyama
1
,
Nobuo Anzai
1
,
Masaru Miyauchi
1
1東京大学医学部精神医学教室
1Department of Neuro-Psychiatry, Faculty of Medicine, University of Tokyo
キーワード:
Schizophrenia
,
Social adjustment
,
Day hospital
,
Treatment effectiveness
Keyword:
Schizophrenia
,
Social adjustment
,
Day hospital
,
Treatment effectiveness
pp.841-849
発行日 1984年8月15日
Published Date 1984/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203806
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抄録 東大病院精神神経科Day Hospital(DH)に通院した82名(男45名,女37名)の分裂病圏患者を対象として,DH終了後2年間の社会適応を追跡調査し,その結果と患者の社会適応に関連すると考えられるDH通院開始以前の諸要因,およびDHでの諸要因との関連を検討した。さらに,DH通院開始以前の諸要因とDHでの諸要因との関連も検討した。その結果,DH終了後の社会適応と有意に関連する要因は,性別,学歴,職歴の有無,病前社会適応,発病後DH通院開始時までの社会適応,DHでの集団適応,DH終了形態であった。これらの要因の中でDH終了後の社会適応との関連が最も強い要因はDH終了形態であった。DH終了形態と上記のDH通院開始以前の諸要因との間には有意な関連はなかった。以上のことは,DHを経た分裂病患者の社会適応は,DH通院開始以前の要因によって決定づけられたものでなく,治療によって変えうるものであり,DHが有効であることを示唆している。
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