巻頭言
病院デイケアの面白さ
佐々木 勇之進
1
1福間病院
pp.1018-1019
発行日 1983年10月15日
Published Date 1983/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203650
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病院デイケアに取り組んでもうかれこれ10年になる。やっと軌道に乗ったというよりは,むしろ,これからが本番だという気がする。それ程,やり甲斐のあるおもしろい仕事である。体験とは恐ろしいものだ。おかげで臨床の実際家として新たな目が開けたような思いがする。そこでデイケアにちなんで,つれづれなるままに述べてみよう。
デイケア成否の鍵は,百の屁理屈より実際に患者さんが事故なく,真面目にきちんと通所して来るか,否か,にかかっている。というのは,デイケアの治療は患者との自由契約というよりは,むしろ,患者の自由な選択によって通所に値すると彼らが判断した時に,初めて治療関係が成り立つからである。その点,入院治療とは基本的に治療構造ないし,治療環境を異にする。この両者の根本的な相違を,身をもって体験したことが,デイケアでの最大の収穫であった。
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