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昨年(1982年)10月22日から24日まで西ドイツのミュンヘンで開催された表記の学会(X. Congres International de la Socisété Internationale de Psychopathologie de l'Expression)に参加したので,その概要を報告しておきたい。ご存じの方も多いと思うが,国際表現精神病理学会は,1959年,イタリアのヴェローナでC. Lombrosoの没後50年祭が催された折に設立され,翌60年に同国のカターニア(シチーリア島)で第2回総会が開かれてからは,3年ごとに欧米各地で規則正しく開催されており,このほかにも,毎回の世界精神医学会(W. P. A.)で独自のシンポジウムを組んだり,地域単位で国際コロキウムを催したりしている。こうした実績が評価されたためか,1980年の香港でのシンポジウムの折に,表現精神病理学がW. P. A. の正規のセクションの1つとして承認されるという出来事があり,したがって今回の第10回総会は初めて「W. P. A. の協賛のもとに」開催されるというかつてない意義をもつことが,会長Volmat教授の開会の挨拶でも強調された。
参加者は,開催地がミュンヘンということもあって,当然ながら西ドイツをはじめ,オーストリー,スイスなど,ドイツ語圏の人が大多数のように感じられたが,そのほか,フランス,イタリア,スペイン,東ドイツ,ハンガリー,チェコ,さらに,アメリカ,メキシコなどの出席者も少なくなく,それに徳田良仁博士を団長とする日本からの十数名も加わって,会場に当てられたミュンヘン大学の講堂(第1日目)と隣りの造形美術アカデミーの部屋部屋(第2日目と第3日目)をにぎやかに埋めつくした。別に数えたわけではないが,参加者数は全部で300名前後に達したのではないかと想像される。
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