Japanese
English
特集 聴覚失認
小児の聴覚失認
Auditory Agnosia in Childhood
八島 祐子
1
,
石下 恭子
2
Yuko Yashima
1
,
Kyoko Ishige
2
1福島県立医科大学神経精神科
2福島大学保健センター
1Department of Neuropsychiatry, Fukushima Medical College
2Fukushima University Health Center
pp.413-418
発行日 1983年4月15日
Published Date 1983/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203573
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1.はじめに 小児における広義の聴覚失認に関する古典的文献でよく引用されているのは,Worster-DroughtとAllen1〜3)の“Congenital auditory imperception”と題する論文である。“Congenital auditoryimperception”を失認の水準の障害と理解すれば,“Developmental auditory agnosia”に相当するものである。さらに小児期の言語障害に“Cerebral immaturity”あるいは,“developmentallag”という発達障害に関する概念を最初に導入したのはEwing4)であろう。言語障害を発達的観点からみる時,発達段階に生じた脳器質障害による言語障害は失認の水準にあるか,また,狭義の受容性失語であるか判然と分けられないことが多く,聴覚失認が加味された語聾の例もある。Morley5),Karlin6),およびBentonら7)の小児言語発達障害の分類から発達性語聾(先天性語聾)あるいは聴覚失認とその周辺症状について,自験例も加えて考察する。
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