Japanese
English
短報
Carbamazepineによって著しい記銘障害を生じたてんかんの1例
A Case of Recent Memory Disturbance Produced by Carbamazepine
福島 裕
1
,
兼子 直
1
,
斉藤 文男
1
,
久保田 修治
1
Yutaka Fukushima
1
,
Sunao Kaneko
1
,
Fumio Saito
1
,
Shuji Kubota
1
1弘前大学医学部神経精神医学教室
1Dept. of Neuropsychiatry, Hirosaki Univ. School of Medicine
pp.419-421
発行日 1983年4月15日
Published Date 1983/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203574
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
Schorsch8)は,Anstalt Bethelにおける患者の観察から,抗てんかん薬は発作の抑制には役立っているものの,患者の知的活動性を失わせていることを警告的に述べている。これまで,phenytoinによって知的精神機能がきわだって障害された例は,phenytoin encephalopathyあるいはpseudodegenerative diseaseとして報告されている7)。
ところで,carbamazcpineについては,精神症状に対する治療的効果を強調する報告が数多くなされてきた。もっとも,Diehl1)はcarbamazepineも,それが一定の血中濃度を超えた場合には,かえって精神症状の悪化を招くことを指摘している。
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.