Japanese
English
短報
慢性精神分裂病の大脳CT densityについて
CT Density of Brains in Chronic Schizophrcnics
島 悟
1
,
神庭 重信
1
,
浅井 昌弘
2
Satoru Shima
1
,
Shigenobu Kanba
1
,
Masahiro Asai
2
1精神医学研究所付属東京武蔵野病院
2慶応義塾大学医学部精神神経科学教室
1Tokyo-Musashino Hospital
2Department of Ncuropsychiatry, School of Medicine, Keio University
pp.78-81
発行日 1983年1月15日
Published Date 1983/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203531
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I.はじめに
1976年のJohnstone1)の報告以来,CTを用いた精神分裂病研究は多数行われ,欧米における報告と同様,本邦においても川原2),難波3),頼藤4,5),岩井6),三上7),高橋8)らにより,脳室系の拡大,脳溝の開大が指摘されている。最近,Golden9)は,CT値(生体組織のX線減弱係数の値を水を0とした相対値で表わしたもの)を用いて,慢性精神分裂病患者の大脳densityを測定し,左大脳半球前半部で対照群に比し有意な低値を認めた。しかしGoldenの方法では,脳室を含めてdensityを計測しており,脳実質だけのdensityを表わしたものではない。そこでわれわれは,慢性精神分裂病患者の頭部CT所見で,前頭葉,頭頂葉,および後頭葉の平均CT値を測定し,各部位のdensityを対照群のそれと比較検討した。
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