Japanese
English
短報
病相頻発型気分障害の10例の臨床的特徴
Clinical Characteristics of 10 Rapid Cyclers
中村 中
1,2
,
木下 徳久
2
,
神庭 重信
2
,
島 悟
3
,
宮岡 等
4
,
八木 剛平
2
,
浅井 昌弘
2
Ataru Nakamura
1,2
,
Norihisa Kinoshita
2
,
Shigenobu Kanba
2
,
Satoru Shima
3
,
Hitoshi Miyaoka
4
,
Gohei Yagi
2
,
Masahiro Asai
2
1駒木野病院
2慶應義塾大学精神神経科
3東京経済大学教養学部
4済生会中央病院神経科
1Komagino Hospital
2Department of Neuropsychiatry, Keio University School of Medicine
3Tokyo University of Economics
4Department of Neuro-psychiatry, Saiseikai Chuo Hospital
キーワード:
Rapid cycler
,
Mood disorders
,
Clinical characteristics
Keyword:
Rapid cycler
,
Mood disorders
,
Clinical characteristics
pp.427-430
発行日 1992年4月15日
Published Date 1992/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903233
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■はじめに
1974年にDunnerら5)は,リチウム治療抵抗性であるその特徴を強調するため,1年間に4回以上の躁またはうつ病相を持つ双極性障害患者に対してrapid cycler(以下,病相頻発型と訳す)という語を初めて用いた。ところが近年,抗うつ薬の使用により双極性障害の一部に躁うつ病相の頻発化が誘発され,それに関連して障害がリチウム治療に抵抗性となることが明らかにされると,気分障害,特に双極性障害のうつ病期に抗うつ薬を使用することの是非をめぐり,病相頻発型の意義が再考された1,7,8,10,12〜14)。しかしながら我が国では,病相頻発型気分障害の臨床的特徴についての研究報告は少ない。本稿では,病相頻発型気分障害と診断された10症例についてその発症や経過を調査し検討を加えた。
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