Japanese
English
短報
精神科疾患におけるDexamethasone抑制試験—うつ病を中心として
Dexamethasone Suppression Test in Depression and Other Psychiatric Disorders
島 悟
1
,
鹿野 達男
1
,
須貝 佑一
1
,
北村 俊則
2
,
浅井 昌弘
2
,
伊藤 斎
2
,
加野 象次郎
3
Satoru Shima
1
,
Tatsuo Shikano
1
,
Yuichi Sugai
1
,
Toshinori Kitamura
2
,
Masahiro Asai
2
,
Hitoshi Itoh
2
,
Shojiro Kano
3
1川崎市立川崎病院
2慶応義塾大学医学部精神神経科学教室
3慶応義塾大学病院中央検査部内分泌科
1Kawasaki Municipal Hospital
2Department of Neuropsychiatry, School of Medicine, Keio University
3Division of Clinical Endocrinology, Clinical Laboratories, Keio University Hospital
pp.313-316
発行日 1984年3月15日
Published Date 1984/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203737
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I.はじめに
最近の神経内分泌学的研究で最も大きな成果の1つは,Dexamethasone抑制試験(DST)によるうつ病診断であり,とりわけ1981年のCarrollらによる報告1)以来注目され,多数の追試が行なわれている。
しかしながらDSTの検査方法,および診断基準はなお確立したものではなく,Dexamethasoneの投与量,採血時間,血清cortisolの測定法,異常値の基準は一定していない。またうつ病以外にも,精神分裂病2,3),強迫性障害4),アルコール症5),痴呆6,7)のなどの疾患においても,かなり高率にDST異常が出現するとの報告もあり,今後に検討を要する問題が数多く残されている。
ところで本邦では,精神疾患を対象としたDSTの報告は僅かしかない8〜10)。今回われわれは,うつ病を主体とする精神疾患を対象としてDSTを施行したので,その成績を報告する。
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