Japanese
English
短報
Tardive dyskinesia例に認められた特異なcorpora amylacea分布
Abnormal Distribution of Corpora Amylacea in an Autopsy Case of Tardive Dyskinesia
今岡 健次
1
,
中村 晴臣
1
,
久葉 周作
2
,
杉原 寛一郎
2
,
小椋 力
3
Kenji Imaoka
1
,
Haruomi Nakamura
1
,
Shusaku Kuba
2
,
Kanichiro Sugihara
2
,
Chikara Ogura
3
1鳥取大学医学部脳神経病理
2安来第一病院
3鳥取大学医学部神経精神科
1Division of Neuropathology, Tottori Univ. School of Med.
2Yasugi Daiichi Hospital
3Dept. of Neuropsychiatry, Tottori Univ. School of Med.
pp.658-661
発行日 1982年6月15日
Published Date 1982/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203432
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I.はじめに
遅発性ジスキネジア(tardive dyskinesia)はSigwaldら(1959年)の最初の報告以来,現在までに種々の報告がなされている。本ジスキネジァは非可逆的な不随意の常同的,リズミカルな運動があらゆる筋群に発生する。しかし,大半が口唇,舌,顎に発生することから,buccolinguomasticatory dyskinesiaとかoral dyskinesiaともいわれる。原因としては向精神薬等の薬物の副作用(drug-induced)と老齢化(spontaneous)が考えられている。
病理形態学的には,いまだ十分な知見を認められておらず,さらに神経病理学的検索が要求されているのが現状である。著者らは長期にわたって向精神薬(chlorpromazine)を服用しtardive dyskinesia症状を示した1例を剖検する機会を得,両側淡蒼球外節に限局して無数のcorpora amylacea(以後C. A. と略す)を認あた。本例のC. A. の淡蒼球外節における分布を,対象(100例)と比較し,若干の考察を加えて報告する。
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