Japanese
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動き
うつ病とMHPG
Depression and MHPG (3-methoxy-4-hydroxy-phenylglycol)
丸田 俊彦
1,2
,
Alan. H. Rosenbaum
2,3
Toshihiko Maruta
1,2
,
Alan. H. Rosenbaum
2,3
1慶應義塾大学医学部精神神経科教室
2メイヨ・クリニック精神科
3Psychiatry, Mayo Medical School
1Dept. of Neuropsychiatry, Keio University, School of Medicine
2Psychiatry, Mayo Clinic and Mayo Foundation
3Psychiatry, Mayo Medical School
pp.327-334
発行日 1982年3月15日
Published Date 1982/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203394
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Ⅰ.序
うつ病(Depression)と総称される病気が,臨床的・生物学的に異種混合(heterogenous)であって,共通した(精神,形態,生化学的)病理変化を基盤とした疾患単位でないことは,精神病理学者,精神分析学者,精神薬理学者を問わず合意しうる点であろう1)。ここ20数年,特に,抗うつ剤の発見によりうつ病の薬物治療が可能になって以来,内因性(endogenous)-外因性(exogenousまたは反応性:reactive)という二分論を越えたうつ病のより正確な診断,詳細な分類を求める動向が高まってきた。
DSM-Ⅲ2)はその動向を示す一例である。“Feighner Criteria”21),R. D. C. Criteria59)を通して生まれたDSM-Ⅲは,臨床像,症状,病歴を診断基準として,うつ病を再分類している。しかし,その最終稿が刷り上がる前から,その問題点と限界が明らかになってきている。それは(医学のどの分野においても言えることであるが),臨床症状(例えば貧血や発熱)の組み合わせだけをもってその症候群の病態生理を知ることは困難であり,逆にまた全く異った臨床症候群(clinica syndrome)が同一の病態生理によって引き起こされることもあって,臨床症状だけを頼りにした分類には自ら限界があるという点である。
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