資料
米国精神科専門医試験(そのⅡ)—第2次(口頭)試験
丸田 俊彦
1,2
Toshihiko Maruta
1,2
1慶応義塾大学医学部精神神経科教室
2メイヨ・クリニック精神科
1Dept. of Neuro-psychiatry, Keio University School of Medicine
2Psychiatry Mayo Clinic and Mayo Foundation
pp.535-541
発行日 1982年5月15日
Published Date 1982/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203419
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
Ⅰ.序
すでに「米国精神科専門医試験—第1次(筆記)試験」(精神医学,24;445〜450,1982)において,専門医試験の背景と筆記試験の内容について述べたので,ここでは,近年かなりの論議を引き起こしている第2次(口頭)試験に関し,受験者・試験官両者の立場から述べることにする。
筆記試験は,問題数が多く(>360題)「コンピューターによる客観的判断」が行われるため,「受験者のいかなる能力を測定しているのか」との疑問に対する明確な答えがないままでありながら,受験者からの苦情も,学会における論議も少ないようである。これが,試験官の主観がはいる可能性,というよりは,ともすれば試験官の(学問的背景をも含んだ)主観が合否を決定する危険のある口頭試験の場合,試験そのものの是非に関してかなりの議論がある1〜6)。ただ残念なことに,この口頭試験是非の議論自体が体験的,主観的である場合が多く1,3〜6),客観的方法をもってその是非を論じたものは少ない2,6)。恐らく,口頭試験がどのくらい客観性(validity & reliability2))を持つかは,半永久的課題であろう。
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.