Japanese
English
研究と報告
精神薄弱施設におけるダウン症候群患者の動態とその早期老化傾向について
Down's Syndrome among Inmates of Institutions for Mentally Retarded: Rate, Age Distribution and Premature Senility
加藤 進昌
1
,
櫻井 芳郎
1
Nobumasa Kato
1
,
Yoshiro Sakurai
1
1国立精神衛生研究所精神薄弱部
1Division of Mental Deficiency Research, National Institute of Mental Health
キーワード:
Institution for mentally retarded
,
Nationwide survey
,
Down's syndrome
,
Premature senility
Keyword:
Institution for mentally retarded
,
Nationwide survey
,
Down's syndrome
,
Premature senility
pp.647-653
発行日 1980年6月15日
Published Date 1980/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203112
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録 ダウン症候群は精神遅滞のなかでも出現頻度が高く,しかも早期老化現象が顕著に認められる。したがってダウン症患者の実態を把握し,近年の医療技術の進歩や生活水準の向上に則した保健福祉対策を推進することが必要である。
われわれはダウン症候群における早期老化現象の存在と特徴を生物学的諸機能の面からある程度明らかにしてきたが,それらをふまえて精薄施設在園のダウン症患者の実態把握を目的とする全国調査を行なった。
ダウン症患者は施設在園者の10%を占あているが,30歳以上の年齢構成比はきわめて少ない。また外見や動作,生活態度の面で若年から始まる老化の徴候と40歳を越えて顕著になる早期老化傾向が特徴的に認められる。死亡例の死因は先天性心疾患が最も多く,白血病による死亡も高率であり,先天的原因の影響が考えられる。これらの諸点を考慮した健康管理が行なわれなければならない。
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.