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特集 精神分裂病の生物学
精神分裂病における一次性行動異常
Primary Behavioural Disorders in Schizophrenia
町山 幸輝
1
Yukiteru Machiyama
1
1群馬大学医学部神経精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Faculty of Medicine, University of Gumma
pp.1177-1183
発行日 1979年11月15日
Published Date 1979/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203012
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精神分裂病の臨床形態は著しく多様で,そのため疾患の概念についてしばしば混乱が生ずる。分裂病の理解のためにはその症状の整理,特に構造化がかかせない。このような努力は古くからなされてきてはいるが(たとえばE. Bleuler2,13)),なお十分ではない。われわれはここ数年分裂病患者および家族がしあす行動異常についていくつかの検索をおこなってきたが5〜12),患者には精神病的症状とは独立の一次性の行動異常(欠陥症状)が存在すること,そのような異常は発病前からみとめられること,また患者と家族には共通の認知障害が存在することをみいだした。ここでは,それらの知見を統合して分裂病症状の構造化をこころみ,かつ分裂病における一次性異常の重要性について論ずる。
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