Japanese
English
研究と報告
周期性傾眠症の臨床的考察
Clinical Studies of Periodic Somnolence
東保 みづ枝
1
Mizue Tobo
1
1国立小倉病院精神神経科
1Dept. of Neuropsychiatry, National Kokura Hospital
pp.1159-1166
発行日 1977年11月15日
Published Date 1977/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202683
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
1925年,Kleine13)は思春期に発症し,2〜20日続く傾眠-明識困難状態を繰り返す症例を,periodische Schlafsuchtとして報告し,1936年にはLevin14)が,これらの症状に過食を伴う症候群に対して,periodic sonmolence and morbid hungerという症候群を提唱した。1962年,Critchley1)はそれまでの報告例と自験例11例について検討し,1)圧倒的に男性に多い,2)青年期に発症する,3)自然治癒の傾向を有す,4)強迫的な性質をもつ大食の4点をKleine-Levin症候群の重要な臨床的特徴として挙げた。わが国では高橋19)が周期性傾眠症28例に対する詳細な検討を行なっているが,その病態生理に関しては,いまだに一致した見解は得られていない。私は,周期性傾眠症と診断しうる5例を経験した。その臨床症状・経過を報告し,主に脳波記録を中心に,周期性傾眠症の病態について考察を試みる。
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.