Japanese
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研究と報告
職場における単身赴任者に関する研究—1企業の中国地区の調査から
Studies on Transferees Temporarily Residing Apart from Family
小椋 力
1
,
国元 憲文
1
,
中久喜 克子
2
,
清水 泰治
2
,
渡辺 武夫
2
,
森田 昌功
2
Chikara Ogura
1
,
Norifumi Kunimoto
1
,
Katsuko Nakakuki
2
,
Yasuharu Shimizu
2
,
Takeo Watanabe
2
,
Masanori Morita
2
1烏取大学医学部神経精神医学教室
2日本電信電話公社
1Dept. of Neuropsychiat., Tottori Univ. School of Medicine
2Nippon Telegraph and Telephone Public Corporation
pp.935-941
発行日 1977年9月15日
Published Date 1977/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202658
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I.はじめに
職場における職員の健康に対する関心が高まるとともに,単身赴任についても取り上げられ(大熊2),1974),単身赴任者は家族同居者に比べ生活が不規則になるなど心身の健康を害しやすいとの報告もあり(長谷川1),1975),また日常の経験からもそのような印象を受ける。
一方単身赴任者は,家族に煩わされず比較的自由に行動できてよいとの話も聞く。このように単身赴任者は,家族と離れて生活するという特殊な生活基盤のうえで勤務を続けていることになり,このことが精神・身体に何らかの影響を及ぼすことは十分に考えられよう。
ところが,単身赴任に関する従来の報告をみると,単身赴任者の自殺などに関する症例の簡単な記載があるだけで,単身赴任者の実態,心身の健康状態などについての体系的な調査・研究の報告は国の内外をとおして知らない。
そこで著者らは,単身赴任者に関する研究に着手し,すでにその一部を報告した(小椋ら3),1975)。ところがそれらは対象者が少数であったために,十分な情報を得ることができなかったので,今回,調査範囲をさらに広げ対象者を増やして検討した。その結果,単身赴任者の赴任状況,心身の健康状態をある程度詳細に知ることが可能であり,単身赴任者の健康の保持・増進に有用な資料を得ることができたので,その概略を報告する。
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