書評
「多飲症・水中毒」―川上宏人 松浦好徳 編
鈴木 康之
1
1東京慈恵会医科大学泌尿器科
pp.386
発行日 2010年5月20日
Published Date 2010/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102046
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過活動膀胱という用語が泌尿器科学会を席巻し始めてから頻尿・尿意切迫は泌尿器科医の最大関心事の1つとなった。難治性頻尿患者さんの排尿日誌から多飲多尿が判明する頻度が絶望的に高いことは泌尿器科医であれば日常診療で強く実感されることである。健康ブームに乗ったマスコミの報道は,“血液さらさら”というキャッチフレーズを生みだし,“水分補給が健康の源”という神話が世界中を駆けめぐっている。数年前にはテレビの健康番組収録で同席した壮年の有名女優さんに「私は2,000ccの水を毎日飲むことを日課として健康維持してますのよ」と誇らしげに宣言されてしまい,唖然とした記憶がある。
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