Japanese
English
研究と報告
Binswanger病の臨床と病理—白質病変と脳動脈硬化性痴呆の関連
Clinical and Pathological Study on the Binswanger's Disease : Correlation of the White Matter Inyolvement and Cerebral Arteriosclerotic Dementia
上野 武治
1
,
高畑 直彦
1
,
石嶋 紘
2
,
加藤 隆
2
,
森田 昭之助
2
Takeji Ueno
1
,
Naohiko Takahata
1
,
Hiroshi Ishijima
2
,
Takashi Kato
2
,
Shonosuke Morita
2
1北海道大学精神医学教室
2小樽市立静和病院
1Dept. of Psychiatry and Neurology, Hokkaido Univ. School of Med.
2Otaru Municipal Seiwa Hospital
pp.709-715
発行日 1974年7月15日
Published Date 1974/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202210
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I.緒言
Encephalitis subcorticalis chronica progressiva(いわゆる“Binswanger病”,subcortical arteriosclerotic encephalopathy,以下ESCPと略す)は臨床的には人格障害,痴呆などの精神症状を前景とし,病理組織学的には病変の主座が大脳白質に存在する脳動脈硬化症の特殊型として従来知られている。しかしESCPのこのような位置づけにはこれまで種々の議論があり,さらに検討すべき点も少なくない。
われわれは初老期に痴呆や妄想など精神症状で発病したESCPと思われる症例を経験したが,この症例をとおしてESCPの脳動脈硬化症の中での位置づけ,さらにはESCPに明らかな白質病変と脳動脈硬化性痴呆との関連についてなど,これまでの文献を参考にして検討する機会を得たので報告する。
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