シンポジウム 向精神薬療法の現状と問題点—Dr. Frank J. Ayd, Jr. を迎えて
序文
風祭 元
1
1帝京大学精神神経科
pp.644
発行日 1974年7月15日
Published Date 1974/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202199
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現在の精神医療において,抗精神病薬,抗うつ薬,抗躁薬,抗不安薬などによる向精神薬療法は心理・社会面からの働き掛けとともに治療の中心的な位置を占めており,また向精神薬の開発・導入と臨床的治験の集積が,精神疾患の病態の解明に大きく寄与していることは誰しも否定できない事実である。しかし,向精神薬についての今までの多くの研究にもかかわらずその作用機序は依然として不明であり,また臨床における使用法についても,解決されていない多くの問題が残されている。
このたびアメリカの臨床精神薬理学の第一人者であり,また精神科薬物療法に関する多くの啓蒙的な論文の著者としても知られているFrank J. Ayd, Jr. 博士が来日された機会に,日本とアメリカにおける向精神薬療法の臨床の現況と問題点,とくに治療の技術的な問題を中心として日米の精神科医が腹蔵のない意見を交換するために,このシンポジウムが企画された。
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