Japanese
English
研究と報告
性感発作を訴え,側頭骨に線維性異形成を有する1臨床例
A Case of "Sexual Feeling" Attack with a Possible Causative Fibrous Dysplasia of the Left Temporal Sphenoidal Bone
高坂 睦年
1
,
庄盛 敏廉
1
,
小林 清史
1
,
野間 拓治
2
Mutsutoshi Kohsaka
1
,
Toshikiyo Shohmori
1
,
Kiyofumi Kobayashi
1
,
Takuji Noma
2
1岡山大学医学部脳代謝神経科
2河田病院
1Institute for Neurobiology, Okayama University Medical School
2Kawada Mental Hospital
pp.881-885
発行日 1973年8月15日
Published Date 1973/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202067
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54歳の既婚婦人が,50歳のころより突然に左側の下肢,陰部,腰部に性感または性感様感覚を発作性にきたすようになった。
臨床神経学的には異常は認められなかったが,「レ」線検査で左の側頭骨の骨増殖像を認め,脳波上に活発な左方側頭部に焦点性異常放電を認めた。脳波異常は性感発作に一致せず,薬物による賦活試験で変化しなかった。左側頭骨の生検では,fibrous dysplasiaという結果であった。
精神障害の微候は認められず,心理検査においても著しい偏倚は示さなかった。
精神安定剤服用で症状は軽くなった。性感発作,性に関する異常行動の症例を,とくに側頭葉異常という面において,文献的に比較考察した。
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