Japanese
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研究と報告
陳旧性分裂病でみる分化像—慢性病棟での覚え書き(第3部)
On the Differentiation observed by Chronic Schizophrenia : Part 3
広田 伊蘇夫
1
Isoo Hirota
1
1都立松沢病院
1Matsuzawa Hospital
pp.457-465
発行日 1972年5月15日
Published Date 1972/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201894
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IV.仕草の形式
ここで視点を変え,これまで記述してきたそれぞれの分化群の特徴的傾向を<仕草の形式>という立場から検討してみよう。
たとえば,日常的な仕事としての草取り,室内掃除でみる動きの軌跡,さらには同室者を思い出す流れ,寝場所の再構成課程などで指摘したように,陳旧例でみる思考・仕草の形式には,<機械的・紋切的>と<気まぐれなこだわり(haften)>で対比される差異をみる。かつ,この対比は他者とのかかわり形式と関連する構造をもつ。つまり,機械的・紋切的仕草を示す症例は,より敏感な被対象化の意識を示し,その仕草に場あたり的こだわりを示す症例は,むしろ被対象化意識の弛緩化で彩られる構造をもつ。これが陳旧例でみる主流的傾向といえる。以下,二つの方法を用いてこの対比的な仕草の特徴を具体的に形態化してみよう。
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