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研究と報告
新しい向精神薬Y-4153の臨床評価—二重盲検法によるChlorpromazineとの効果比較
Clihical Evaluation of New-Psychotropic Drug; Y-4153 : Comparative Study with Chlorpromazine using Double-Blind Method
小野寺 勇夫
1
,
岡本 康夫
1
,
伊藤 耕三
2
,
石金 昌晴
2
Isao Onodera
1
,
Yasuo Okamoto
1
,
Kozo Itoh
2
,
Masaharu Ishikane
2
1札幌岡本病院
2札幌花園病院
1Sapporo Okamoto Hospital
2Sapporo Hanazono Hospital
pp.175-183
発行日 1972年2月15日
Published Date 1972/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201859
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I.はじめに
これまで数多くの向精神薬が開発されてきたが日常診療の中でしばしば困難さを感じる欠陥分裂病や陳旧性分裂病の症状のうち,とくに感情鈍麻や自発性減退に対する強力な治療薬を有していないのが現状である。
今回われわれは新しい向精神薬Y-4153について治験する機会を得た。Y-4153は吉富製薬研究所でcarpipramine(以下CPPと省略)に引き続き合成研究された向精神薬で,図1に示したごとき構造式を有する。薬理学的にはアポモルヒネ拮抗作用などのいわゆるneuroleptic potencyはCPPよりも約2〜3倍強力な化合物である1)2)。
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