Japanese
English
研究と報告
向精神薬長期服用者の自律神経機能—第2報 プピログラム所見について
The Autonomic Nervous Function of Schizophrenic Patients on the Long-term Administration of Psychotropic Drugs, Part 2,: With special reference to pupillographical findings
岡田 文彦
1,2
,
浅野 裕
3
,
加瀬 学
4
,
新富 芳子
4
,
長沼 俊幸
5
,
小野寺 勇夫
6
,
山鼻 康弘
7
,
富樫 弥志満
8
,
伊藤 耕三
9
,
石金 昌晴
9
Fumihiko Okada
1,2
,
Yutaka Asano
3
,
Manabu Kase
4
,
Yoshiko Shintomi
4
,
Toshiyuki Naganuma
5
,
Isao Onodera
6
,
Yasuhiro Yamahana
7
,
Yashima Togashi
8
,
Kozo Ito
9
,
Masaharu Ishikane
9
1北海道大学保健管理センター
2北海道大学精神神経科
3北海道大学医学部精神神経科
4北海道大学医学部眼科
5札幌長沼病院
6札幌岡本病院
7札幌啓生会病院
8札幌桑園病院
9札幌花園病院
1Health Administration Center, Hokkaido Univ. School of Medicine
2Dept. of Psychiatry & Neurology, Hokkaido Univ. School of Medicine
3Dept. of Psychiatry & Neurology, Hokkaido Univ. School of Medicine
4Dept. of Ophthalmology, Hokkaido Univ. School of Medicine
5Sapporo Naganuma Hospital
6Sapporo Okamoto Hospital
7Sapporo Keiseikai Hospital
8Sapporo Souen Hospital
9Sapporo Hanazono Hospital
pp.891-897
発行日 1978年8月15日
Published Date 1978/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202807
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I.はじめに
われわれは前報にて,一地方都市の総合病院併設精神科における向精神薬長期服用中の精神分裂病者の自律神経機能,特に瞳孔機能について検討を加え,対象とした入院患者のうち,36.5%の高率に,対光反応消失の所見がみられることを報告した1)。さらに,点眼薬による検討から,これらの患者の80〜90%までに,瞳孔の交感神経系および副交感神経系の末梢レベルで,ともに著明な神経遮断現象がみられることを明らかにした1)。これらの患者は多種類の向精神薬や抗パーキンソン剤(抗パ剤)を多量に服用しており,このような異常所見出現と服薬量とは密接な関連があると考えられる。
本論文では,札幌市内の精神病院に長期間にわたって入院中の精神分裂病患者のうち,同様の瞳孔異常を示す12症例について,瞳孔の対光反応と近見反応をより精密に検索することが可能な赤外線電子瞳孔計を用いて検討を加えたので報告する。
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