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研究と報告
新穏和精神安定薬Bromazepam(Ro 5-3350)の使用経験—とくに強迫症状にたいする効果について
Effect of Bromazepam (Ro5-3350), a New Minor Tranquilizer, on Psychoneurosis and Psychosis: with Special Reference to the Obsessive-Compulsive Symptoms
大熊 輝雄
1
,
中尾 武久
1
,
小椋 力
1
,
岸本 朗
1
,
馬嶋 一暁
1
Theruo Okuma
1
,
Takehisa Nakao
1
,
Chikara Ogura
1
,
Akira Kishimoto
1
,
Kazuaki Mazima
1
1鳥取大学医学部神経精神医学教室
1Dept. of Neuropsychiat., Tottori Univ. School of Med.
pp.823-830
発行日 1971年8月15日
Published Date 1971/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201794
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I.はじめに
Benzodiazepine系薬物は,一般に静穏作用が強く,精神神経科領域でも,各種の神経症にたいしてだけではなく,躁うつ病,精神分裂病などの内因精神病の治療にも併用的に使用され,現在までにchlordiazepoxide,diazepamをはじめとして各種の薬物が臨床的に使用されている。また催眠作用が強いnitrazepamなどは睡眠薬としても使用されており,また抗痙攣薬としての作用も評価されている。
1968年F. Hoffman-La Roche社によって開発されたbromazepam(Ro 5-3350)(7-Bromo-5-(2-pyridyl)-3H-1,4-benzodiazepin-2(1H)-one)は,従来用いられているbenzodiazepine系のchlordiazepoxide,diazepam,nitrazepamとは構造式にブロム(Br)をもつ点(第1図)で異なっており,サルを含む各種実験動物では,静穏,抗斗争,抗痙攣作用を強くしめし,それらの作用はchlordiazepoxide,diazepamよりはるかに強力であり,とくに筋弛緩,抗痙攣作用はdiazepamより著しいと報告されている(Randallら,1968)。
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