見立てと匙加減
幻聴・妄想を主症状とし情意障害のある比較的急性の例にNeuleptilが効いた例
西園 昌久
1
1九州大学医学部精神科
pp.476
発行日 1971年5月15日
Published Date 1971/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201745
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〔20歳,音楽大学生〕
夏休みに帰省したとき,なんとなく不機嫌で勉強にも身が入らない様子であった。両親は秋にあるピアノコンクールのことが気になっていたためであろうと考えていた。9月になって,大学にもどったが,1カ月ばかりして大学の学生課から連絡があり,両親が上京してみると,本人が,ある教授が自分に好意を寄せて講義中にも自分の方ばかりみているので,友達がそれを噂している,また,音楽雑誌にその大学のある助教授が寄稿しているが自分のアイデアを盗んだものである。そうしたことを大学中の友達が知って噂し,ついにはFM放送でも報道されているのでやめさせてくれと大学学長あて投書したとのことであったという。
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