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資料
最近13年間(昭和28〜40年)のうつ病の臨床統計—抗うつ剤導入前後の臨床的比較
Clinical Statistics in the Depressive Patients during the Period from 1953 to 1965: Comparison of the Clinical Course of Depression before and after the Introduction of Pharmacotherapy
安斎 三郎
1
,
内藤 宏樹
1
,
石田 美穂子
1
,
村井 みほ
1
,
瀬尾 勲
1
,
金子 靖
1
,
松本 道枝
1
Sabro Anzaik
1
,
Hiroki Naito
1
,
Mihoko Ishida
1
,
Miho Murai
1
,
Isao Seo
1
,
Kiyoshi Kaneko
1
,
Michie Matsumoto
1
1横浜市立大学医学部神経科教室
1Dept. of Neurology & Psychiatry, School of Med., Yokohama City Univ.
pp.703-711
発行日 1970年8月15日
Published Date 1970/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201649
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I.はじめに
最近多くのうつ病者を治療しているうちに抗うつ剤の投与により症状が全体的に軽快しているにもかかわらずなお退院することができない患者や,一旦退院はしても長期にわたり外来に通院してうつ状態を脱することができないでいる症例を数多く経験するようになった。また治癒したごとくみえても実際には病前の職業に耐えられず,仕事に復帰したのち再びうつ病期が始まって,その後長期にわたり抗うつ剤の投与を必要とする例もある。
近年抗つ剤が開発されて以来,われわれはほとんど抗うつ剤のみによる治療を行なっているが,電撃療法や持続睡眠療法を主として用いた時代のうつ病の経過と比べてその治療効果はどうであろうか。上に述べた慢性例や治療後の社会復帰の状況などの観察からうつ病の経過に対して,抗うつ剤が重大な影響を及ぼしているのではないかという疑いが生ずるのである。
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