Japanese
English
研究と報告
緩和精神安定剤Oxazolamの臨床治験
A Clinical Experience of Oxazolam, A New Minor Tranquilizer
長谷川 和夫
1
,
山田 治
1
Kazuo Hasegawa
1
,
Osamu Yamada
1
1東京慈恵会医科大学精神神経科教室
1Dept. of Neuro-Psychiat., Tokyo Jikei Univ. School of Med.
pp.613-622
発行日 1970年7月15日
Published Date 1970/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201639
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Ⅰ.緒言
現代は不安の時代である。学園においても,職場においても,また家庭においても,日常の生活のなかに,今日ほど人々が不安にかられて異常な精神状態や行動にかりたてられてゆく時代はかつてなかったと思われる。
精神医学の領域においても,不安症状は精神症状の基本的なものであって,本症状の治療は,大きな課題である。これには精神療法や作業療法,またすぐれた治療法として森田療法があげられるが,薬物療法も近年,臨床精神医が,大きな武器の一つとして数えるものである。ここにとりあげたOxazolam(10-Chloro-2,3,5,6,7,11b-hexahydro-2-methyl-11b-phenylbenzo〔6,7〕-1,4-diazepino〔5,4-b〕-oxazol-6-one)は,chlordiazepoxideやDiazepamと同じように,benzodiazepine誘導体であり,この不安症状の治療に効果のある薬物として知られている。
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