Japanese
English
研究と報告
自閉症様症状を伴った鎖骨頭蓋異常症の1例
A Case of Cleido-cranial Dysostosis Associated with Autism like Symptom
西浦 信博
1
,
広田 豊
1
,
北原 美智夫
1
,
友田 恒典
2
Nobuhiro Nishiura
1
,
Yutaka Hirota
1
,
Michio Kitahara
1
,
Tunesuke Tomoda
2
1大阪医科大学神経精神病学教室
2大阪医科大学臨床病理学教室
1Department of Neuropsychiatry, Osaka Medical College
2Department of Clinical Pathology, Osaka Medical College
pp.41-46
発行日 1970年1月15日
Published Date 1970/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201559
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両鎖骨の部分欠損および頭蓋骨の形成不全を主徴候とする,典型的な鎖骨頭蓋骨異常症(dysostosis cleido-cranialis)に,特異な異常行動を伴う高度の知能発育障害を認め,さらに従来本症の文献に記載のないアミノ酸尿が証明された1例を報告し,あわせて文献的考察を行なった。つぎに本例の特徴を要約する。
1)家系からみて本例は散発例と考えられるが,父の姉が精神薄弱であった。
2)知能程度(D. Q .:15)は白痴級に相当するが,周囲に対して無関心,孤立化を示すほか,独語,常同的行為などの異常行動がみられた。これらの症状は脳器質性障害児にみられるpseudo-autismに相当するものと思われる。
3)血清および尿中のアミノ酸検査を行なったところrenal型の軽度amino-aciduriaの傾向が認められたが,各アミノ酸の種類は正常尿にもみられるアミノ酸であった。
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